SHORT Essay
ショートエッセイ

空想旅行のすゝめ 01 “はじめてのひとり旅”

空想旅行のすゝめ

頭の中はとっても広いから、旅に出よう
第二弾は旅をテーマにしました。
今はコロナで、旅に出ることはできません。
でももしできるならどこに行きたい?何をしたい?

さてさて、最初の旅行を始めましょう。

「死ぬ前に行きたい!世界の絶景」
という本を知っているだろうか?

世界中の綺麗な風景と必要な旅費などがまとめられている本だ。
たまにその本を眺めては、次はどこへ行こう?と考えるのが好きだ。

私はそこまで海外に行った経験が多いわけではないが、海外旅行が好きだ。

世界には日本で見られないような風景や、
普段の生活からは想像もつかないような文化が数え切れないほどある。
普段の生活から抜け出して、そういうところに行くと
自分の悩みがちっぽけに思えたり、
狭くなっていた視野を広げることができるような気がする。

完全に想像で旅をするのは難しかったので、 今回のショートエッセイでは、初めて一人旅をしたマルタ島へ もう一度行ってみたいと思う。

飛行機は運よく窓側の席になった。
私は飛行機の窓から見える景色が不思議でずっと眺めてしまう。
海岸が綺麗な模様になっていたり、大陸に綺麗な円がいくつも並んでいたり、
不思議な風景が地球にはたくさんある。

飛行機では窓を閉めて早々と寝てしまったり、
映画を見ている人が多い中
いつまでも窓に顔をくっつけて外を眺めている私は子供みたいだっただろう。

日本からドバイを経由して約15時間。

ドバイからは大型機ではなく、少し小さめの機体に乗って
青い地中海に浮かぶ島に私は着いた。

思ったよりも暑い。
マルタは一年を通して温暖な気候で、日照時間も長いので
よく日焼けをして夜まで遊ぶ人が多い。

私は少しでも費用を節約するため、バスを利用することに決めていた。
空港の発券機で四苦八苦しながらなんとか7日間乗り放題のICチケットを購入する。
旅行ガイドについている路線図を、この旅では手放すことができないだろう。

バス乗り場がいくつかに分かれていて、行きたい方面に並ぶようになっている。
これは日本と一緒だ。
けれど、土地勘もなく言語も違う土地で目的地にたどり着くのは簡単ではない。
幸いにも、ホテルまでは乗り換えをせずに着けそうだった。

バスに乗っても、飽きもせず私は外を眺めた。
驚いたのは、マルタは右ハンドルで、日本車がとても多いということだ。
海外で日本のものを見ると、なんだか日本人であることを誇らしく感じる。

目的地でICチケットをかざして降り、スーツケースをゴロゴロしながら坂を登った。
バスに乗っているときも思ったけれど、マルタは坂が多いらしい。

ホテルに着いて、シングルルームに入る。
質素な部屋だが、数日泊まるのに不便はないだろう。
海外でホステルは少し心配だったので
一人用の部屋が用意されているホテルがあるのはありがたい。

部屋に荷物を置き、身も心も軽く外へ出かける。
目的地を決めずに知らない場所を歩き回るのは、なんだか冒険みたいでワクワクする。
海辺ではたくさんのカラフルな船が繋がれていて、まるで絵本から飛び出したみたいな世界だ。
猫が街中に歩いていて、私はちょうどベンチの下にいた猫を呼んでみる。
するとすぐに猫が寄ってきて、撫でさせてくれた。
日本の野良猫はとても警戒心が強いから、全然警戒心のないマルタの猫たちは本当にいい意味で島っぽい。

そんな感じで、マルタの1日目はのんびりゆるく終わって行った。

マルタでは、必ず行こうと思っていた場所が2つある。
1つ目は、首都バレッタ。
2つ目は、中世の街並みが残るイムディーナ。

今日はバレッタに行こうと思う。
天気はあいにくの雨。
日本から持ってきた透明ビニール傘を持ってバス停に並んでいると
隣のお兄さんに話しかけられた。

「その傘イケてるね!どこに売ってるの?」
「ありがとう。この傘日本のなんですよ」
と答えると、すごく残念そうだった。

確かに、透明なビニール傘を一つも見ていない。
日本では当たり前なのに、海外では珍しいんだなあと、
日本では一番安物の傘を、私は少し自慢げに持って歩いた。

バレッタは世界遺産の街。
マルタストーンと呼ばれる石のような土のような壁に、
カラフルな出窓があちらこちらに着いている。
こんな景色は日本では絶対見られない。
ファンタジー映画で見るような世界だ。
私はうっとりしながら街を歩いた。
誰かと旅行するのはもちろん楽しいけれど、
一人で旅行するとより多くのものを感じられるような気がする。

気づけば空は晴れていて、
夕暮れにヴァレッタの先端の塔に立って、
対岸の街がオレンジ色に染まっていくのを眺めた。
たまたまたどり着いた場所だったけれど、
人が誰もいなくて、すごく素敵な場所だった。
今度また誰かとマルタ島に行くことがあったらぜひ連れて行きたい場所だ。

私がバレッタよりも楽しみにしていたのがイムディーナだ。
イムディーナは首都ヴァレッタよりももっとクラシックで中世の趣を感じることができる。

街では馬車が走り、狭い路地はひっそりと静まり返っている。
まるで中世で時が止まってしまった街みたいだ。

そしてマルタでとても有名なチョコレートケーキのお店がここイムディーナにある。
店の名前は「フォンタネッラ」。
イムディーナが、島内ではちょっと高い場所にあるため、フォンタネッラではマルタ島を眺めながらティータイムを過ごすことができる。

私はお決まりのようにチョコレートケーキを頼もうとしたけれど、
みんな決まってチョコレートケーキを頼むのだろう。
私が到着した2時ごろにはすでに売り切れてしまっていた。
そこでフルーツケーキと冷たい紅茶を頼んで、一人でのんびり景色を眺めながら過ごした。
フルーツケーキは、いかにも砂糖たっぷりで海外の味がした。
次こそは評判のチョコレートケーキが食べたい。

たくさん歩き回ったのでとても疲れて、とにかく座りたかったので、来たバスに適当に乗ってどこかで乗り換えることにした。
バスに乗って、路線図を広げ、乗り換えられそうな場所で降りる。
しかしあまりバスが通らない場所だったらしく、降りてから全然次のバスが来ない。
しかも雨が降ってきてしまった。
無計画だと絶対こうなるよなあと反省しつつ、次にやってきたバスに乗り込んだ。

これもホテルにはつかなそうだな…と思いつつ、なんとかなるだろうと軽く考えていると、乗客が私だけになってしまった。
すると、バスの運転手さんが話しかけてきてくれた。

「お客さん、どこまで?」
「セントジュリアンまで行きたいんです…」
「このバスはセントジュリアンには行かないよ。でももうお客さんいないし、行ってあげようか?」

と、バスはタクシーのように私を目的地まで連れて行ってくれた。
マルタのバスが時間通りに来ない理由がわかった瞬間だ。(笑)
でもその優しいバスの運転手さんのおかげで、私は無事にホテルにつくことができた。
知らない国で親切にしてもらえることが、こんなに嬉しくてありがたいことだと改めて感じた。
そして日本では絶対に起こらないドラマチックな展開にびっくりして、きっとこの出来事は一生忘れないだろうなと思った。

こうして多少のトラブルもありつつ、
その後数日間ものんびり気ままに過ごした私は、
日本に帰ってきてまたいつもの「日常」に戻った。
そしてまた、本を眺めながら、次はどこへ行こうかと考えるのだ。

writing by eriko gomi

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